SUGIZO ロゴ

愛と調和

NEW ALBUM

愛と調和

2020.12.23 RELEASE!!

コロナ禍で分断が加速し、利己主義の果てに疲弊しきっている現代社会。
SUGIZO3年ぶりとなるオリジナルアルバムは、傷付いた人々の心に優しく浸透する聖水のようなヒーリングミュージック。
縄文の利他的な平等社会にインスパイアされ、見出したのが『愛と調和』という主題。
本作は、ポストパンデミックの新しい世界を見据えた救済のアンビエントである。

  1. 1. Nova Terra
  2. 2. Childhood’s End
  3. 3. A Red Rayfeat. miwa
  4. 4. 追憶
  5. 5. ENDLESS ~闇を超えて~feat. 大黒摩季
  6. 6. The Gates of Dawn
  7. 7. Mindfulness
  8. 8. CHARON ~四智梵語~
  9. 9. 光の涯feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)
  10. 10. So Sweet So Lonely
豪華盤

Premium Edition

SPTC-1007/8

¥11,000(税込)
2CD(SHM-CD)+Photo Book+三方背ケース

特典 I Art Photobook B5サイズ

  • ・屋久島撮り下ろし写真集
  • ・レコーディング・ドキュメント写真集
  • ・ライナーノーツ
  • ・ロングインタビュー&楽曲解説
  • ・レコーディング使用全機材リスト

特典Ⅱ Disc 2

  • ・SUGIZO聖誕半世紀祭オープニングアクト・ライヴ音源
    1. 1. S.T.K./Rokkasho
      from SUGIZO HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.
    2. 2. SUGIZO × HATAKEN/Multiverse Travelerfrom SUGIZO HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.
通常盤

Regular Edition

SPTC-1009

¥3,300(税込)
CD(SHM-CD)+ブックレット

ご購入はこちら

ALBUM NOTE

VOL.1

傷付いた人々に寄り添う救済のアンビエント『愛と調和』
パンデミックの果てにSUGIZOが見据える、新しい世界とは?

12月23日(水)、SUGIZOが自身3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『愛と調和』をリリースする。その軸となるのは、温もりを帯び存分にエコーを効かせたギターサウンドと神秘的かつ宇宙的なシンセサイザー音とが融合した、人々を優しく包み込むようなアンビエントミュージック。屋久島の水の音をはじめ、自ら足を運んで実施した世界各地のフィールドレック音を随所に織り込んだ、自然への畏怖に満ち、魂を祝福する祈りの音楽でもある。

通常はSUGIZOにとって重要な要素となる先鋭的なフレーズや複雑なリズムといった刺激は追い求めず、重視したのは、安らかな静謐を聴き手の心にもたらすヒーリング機能。「パンデミックで人々が疲弊し、分断が進み、差別も激しくなってきています。残念ながら、一見すると社会は負の方向に進んでいて、この数百年保たれてきた経済至上主義は限界を迎えている。パンデミックの先にある新しい世界へ向けて、僕は救済の音を生みたかった」とSUGIZOは制作動機を語っている。

「強い者、数を持った者が勝ち、力のある者が上に立つ。力の無い者は支配される。または追いやられて淘汰され、最初に被害を受ける。完全なヒエラルキーの世界。でも、そのような利己的な現代社会のあり方はもう限界に来ていて、その表れが今のパンデミック禍の状況ではないか? 僕は春頃からそう強く感じていました。そして、今僕たちが最も見習うべきなのは、縄文社会なのではないか、と」

かねてから興味を持っていた縄文(※その源流と言われるレムリア文明も愛し、『LEMURIA』と題した楽曲も存在する)について学びを深めたSUGIZOが注目するのは、ヒエラルキーとは真逆の社会の成り立ち。
「縄文社会は全員平等で、天皇的立場のリーダーを中心とした、いわばスマートグリッドのように人々が繋がっていて、あくまでも利他的な社会だったようです。その文明が1万5000年も続くことが如何にすごいか。そこで重要なのが"愛と調和"であり、その感覚を音楽にしたかった。それこそが、疲弊しきった現代社会へのメッセージ。ボロボロに傷付いた人々の心や精神に、優しく浸透していく水のような音楽を生みたかったのです」 

「今回は、過激なものやアヴァンギャルドなもの、『皆をびっくりさせてやろう』という人為的に面白いことをつくろう、的な意識は皆無でした。そこではなく、すべてが自然に存在し、植物がすくすくと育つかのように音を愛でたかった」
そう語る表情は、穏やかで安らぎに満ちていた。かつてない境地に至ったSUGIZOが生み出し、疲弊した現代社会へと投げ掛ける救済のアンビエント。オリジナル・アルバム『愛と調和』の全貌、その制作の背後にあった物語については、追って明らかにしてゆく。

text by Tae OMAE

VOL.2

人々を覚醒させ、未来への前進を促す『愛と調和』
楽曲誕生までの軌跡、それぞれが宿す物語とメッセージ

優しく染み渡る水のような至宝のヒーリングミュージック作品『愛と調和』。12月23日(水)にリリースを控え、自身3年ぶりとなるこのオリジナル・アルバムによってSUGIZOが目指したのは、パンデミックで分断が加速した社会で疲弊し、深く傷付いた人々の心を救済することだった。

本作は、ヴォーカルの入ったいわゆる歌もの3曲とインストゥルメンタル7曲による全10曲で構成されている。

歌もの3曲は、「A Red Ray feat. miwa」「光の涯 feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)」「ENDLESS ~闇を超えて~ feat. 大黒摩季」で、既発表曲を本作のために再構築したもの。本来は女性シンガーをフィーチャリングした企画盤『ONENESS F』への収録を想定して制作を進めていた楽曲群だったが、今春のパンデミックで作業がやむなく中断。時を同じくしてSUGIZOの中に〝愛と調和″というコンセプトが萌芽し、新たなアルバム制作がスタートすることとなる。ハプニングに見舞われての変更ではあったものの、悲しみや傷を癒す慈しみ深い愛、生命の祝福といった本作の基調にこそふさわしい3曲であり、本来の居場所に辿り着いたようにも思えてくる。

新規のインストゥルメンタル7曲については、リリース前にて個別の詳報は差し控えるが、誕生の経緯をご説明しておきたい。既報の通り、全体のトーンとしては、ひび割れた心をそっと潤していくようなアンビエントミュージックの赴きであり、生命力に満ちた屋久島から受けたインスピレーション、利他の精神を尊ぶことで平和を保った縄文文化への畏怖の念が制作の源泉となっている。「僕らの文明の次なるところを示唆したい」との想いを胸に、SUGIZOは〝愛と調和″の理念を音楽によって具現化した。アルバムを貫く精神性及びコンセプトは上述のように既に春頃に定まっていたが、歴史やファクトを学ぶための情報収集や状況把握を優先し、実際に楽曲をつくり始めたのは7月頃。意識が高まり知識が熟成された状態で楽器を持つと、次々と音楽が生まれていったという。

笙や神楽鈴といった雅楽・神道と縁の深い楽器に加え、役病退散の声明をも織り込み、神仏習合を試みた実験的な楽曲も。笙はこれまでもしばしば使用していたものの、今回のように、日本人としてのルーツを前面に押し出すのは初の試みである。縄文を研究するうちに見出したその美徳に、SUGIZOは強くインスパイアされたという。
「日本人ならではの利他的な感覚、人と調和し、他者を敬う意識が今世界に最も必要だと僕は思っています。今作の音楽は、自分が日本人であることの矜恃が重要な指針となって生まれてきています」

また、八百万の神を祀る感覚には、コロナ禍を生きる上での示唆も見出している。
「ウイルスに勝利しようという段階では、絶対にこれ以上先に行けない。駆逐を求めるのではなくインフルエンザのように共存するしかないですよね。大切なのは、ウイルスを敵とみなさないことで、それは八百万の神の考え方とも合致しているのです。嵐とか雷とか地震とか、一見ネガティヴなことも神様のご霊示として受け止めてきたように、ウイルスは自分たちにメッセージを投げ掛けてくれているありがたい存在なのだと受け入れた時、共存しながら社会は次のフェーズに移行できる、と認識しています。その一方で、コロナは間違いなく人災で、ヒエラルキーの頂点の人達が得をするような仕掛けがある、とも考えています。感染拡大を煽るだけ煽るメディアの表面だけを意識して生きていると、重要な真実を見逃してしまうことになる。その状況こそコロナ以上に危険だと思って僕はコミットし、その問題について発信しようともしていました。更にその次に来たのが、『利己ではなく利他だ。人々が目覚めないと、同じようなネガティヴな状況が繰り返されるだけだ』という意識でした。僕自身、覚醒したのです」

利己ではなく利他の精神を、敵対ではなく共存を、対立ではなく連帯を。『愛と調和』という作品は、傷付いた人々に寄り添うと同時に、現代社会が耳を傾けるべきメッセージを静かに投げ掛けている。

text by Tae OMAE

VOL.3

続きを読む

「音楽で刺激を与えるのではなく、癒しを共有したい」
SUGIZOの新境地と、聖地・屋久島とのシンクロニシティ

刺激的なエレクトロニック・ビートに乗せてノンストップで繰り出すサイケデリックなサウンドと、グラインダーで火花を散らすリアル・インダストリアルなパフォーマンスで度肝を抜くこともある美しくもスリリングなライヴ。そういったSUGIZOソロワークの起伏に富んだ音楽世界を体感してきた経験からすると、12月23日(水)にリリースされるオリジナル・アルバム『愛と調和』は、比べようもないほど静かで穏やかだ。いつかアンビエントやヒーリングミュージックに特化したい、との願いを実は何年も前から抱いていたというSUGIZO。2020年春、パンデミックで社会の歪みが顕在化して弱者が悲鳴を上げる事態となり、意図せずして、それを送り出すにふさわしい状況が到来した。「音楽で刺激を与えるのではなく、癒しを共有したい。人々を優しく包み込めるような音を生みたい、という気持ちが今強いんです」と、本作の制作に至った心境を語っている。

為政者のアンフェアな振る舞いに対し厳しく物申すアティテュードはもちろん崩さぬまま、アルバム『愛と調和』では、傷付いた人々の心を穏やかな音楽で〝手当て″することをまずは急務とした。オーガニックなアコースティックサウンドと神秘的なシンセサイザー音が融合し、織り成された救済の音楽。人々が覚醒し、やがて真の心の安寧に到達することを促すような、静かだが生命力に満ち、内側からエンパワーメントするような楽曲が並んでいる。

本アルバムはアートワークもナチュラル。自然界への畏敬の念に基づき、その恵みをあるがまま届けようとする謙虚な姿勢を感じ取ることができる。ジャケット写真や封入ブックレットのため、フォトセッションを敢行したのは屋久島。SUGIZOが惚れ込み、楽曲制作のインスピレーション源となった写真集『Traces of Yakushima』の著者である写真家・秦達夫氏との全面コラボレーションが実現した。台風の直撃で旅程に思わぬ影響が出たものの、屋久島を知悉する秦氏の導きの下、多彩なロケーションでの撮影を実施。いずれも島に漲る生命力、神秘の輝きを映し込んだ至高の仕上がりとなっている。

商品仕様は通常版・豪華版の2形態となり、詳細は下段に別記するが、豪華版に封入される100ページにも及ぶ撮り下ろし写真集特別ブックレットには、屋久島での特写がふんだんに収められる。威風堂々とした数々の屋久杉や、スタジオジブリのアニメーション映画『もののけ姫』に登場する森のモデルとなった白谷雲水狭の苔むす森、ガジュマルなど、太古の樹々から立ち昇る生命の芳香は写真からも横溢。どのテイクが採用されるか未定の段階ではあるが、島が宿すエネルギーを全身でチャージするかのように、森の中でひっそりと佇んだり、川面の岩に寝そべったりするSUGIZOの姿はいずれもリラックスしていて、自然界に溶け込んで見えた。M1「Nova Terra」から聴こえてくる水音は、屋久杉のそびえる森でフォトセッションした際にSUGIZO自らフィールドレックし、封じ込めたものだという。音楽とアートワークがシンクロする妙味を是非、作品を手に取って味わっていただきたい。

text by Tae OMAE