SUGIZO NEW ALBUM「音」

SUGIZO、5年ぶりのオリジナル・アルバム『音』が遂に完成。
腐敗の一方を辿る社会へ、憎しみの連鎖が絶えない世界へ、嘆きと憤りを吐露し、吠え、解き放った「怒れる電子音楽」。
同時に全ての「音」に全神経と魂を注ぎ込んで生み出した極めてスピリチュアルな音響作品。
SGZ MUSIC史上最高(最狂)の、衝撃の問題作にして最高傑作。

  1. IRA
  2. Raummusik
  3. VOID
  4. Decaying
  5. Proxima Centauri
  6. Lux Aeterna
  7. THE MAD FOLLY
  8. 時の間
  9. The Voyage Home
SUGIZO NEW ALBUM「音」

Liner Notes

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SUGIZOの本当に久しぶりのオリジナル・アルバムがついに完成した。
タイトルは『音』。なんとシンプルでミニマルなタイトルだろう。このタイトルを知ったとき、ぼくはこのアルバムはこれまでのSUGIZOの作品とはひとつ次元を超えた存在のものになっているのではないかという予感がしてならなかった。
そして、その予感は的中した。
まだ最終マスタリング前の段階の音を聴いているが、この『音』はとても過激な作品だ。それは、強烈なリズムや世界を切り裂くような轟音のギターが入っているからではない。
SUGIZOのファンならば、彼の多岐に渡るさまざまな社会的な活動をご存知だろう。その時々の活動と、社会の矛盾への疑問や怒り、そして希望は、SUGIZOの音楽活動のインスピレーションや創作意欲の柱のひとつだ。こうした感情の動きに、新旧世界の音楽への興味とそこにチャレンジする冒険の気持ちがもうひとつの柱となって彼の創作を支えてきた。それはこの『音』でも変わりはない。

SUGIZOが近年最も注目しているクリエイターである鬼才ボカロPのATOLSと、やはりテクノ/トランス界の鬼才として長年存在感を放ち続けるUbartmarの、楽曲に重要なエレメンツを与えた2人をはじめ、前衛JAZZ界での巨匠である近藤等則、近年のSUGIZOのソロ活動を支えるMaZDAと宮上元克、そして去年惜しくも天命を全うしたSGZ MUSICの美しい「声」であるOriga...かけがえのない仲間達とのコラボレーションで産み落とされた本作は、強烈なドリルン・ベース的楽曲もあればサイケデリックで幻想的な美しい曲、ミニマルでグルーヴィーなテクノ・トラックなど、曲調は多岐に富んでいる。

5年をかけただけあって、どの曲もよく練られているし、新しい試みとSUGIZOならではのオリジナリティが調和している。SUGIZOは本作を「怒れる電子音楽」と表現しているが、その怒りは直裁な他者への暴力的な怒りというよりも、自分自身も含めたこの社会のあり方に対する無常観を含んだ怒りのようにも思える。荒涼とした大地に立ち、虚空に向かって吠えるような怒り。その怒りには涙も伴っている。そして、この『音』の本当のすごみは、アルバム全体を通して流れる旅立ちへの希求の精神の強固さだろう。それは一聴すると、SUGIZOがこの現世を捨ててどこか遠くに旅立ってしまう意思を固めたようにすら思えてしまうほどだ。この感覚はつい最近にも覚えたことがある。

一年ほど前に、デヴィッド・ボウイの最後のアルバム『★』のライナー・ノートを書くために音源を何度も何度も聴き返していたときに覚えた感覚だ。
ボウイはどこかちがう次元へと旅立とうとしているのではないか? その感覚は、不幸なことに『★』の発売直後にボウイが本当に星になってしまい、『★』が闘病中に制作されていたという事実が明らかになって裏付けられてしまった。
もちろん、この『音』におけるSUGIZOは、(過労気味ではあるにしても)健康に問題を抱えているわけではない。むしろいま、精神的にも体力的にも充実していることは、このアルバムのサウンドを聴けばよくわかる。
だから、SUGIZOのこのアルバムが旅立ちへの希求の雰囲気を纏っているのは、肉体的なものではなく、精神の高みへの旅の望みが感じられるからだ。
その精神の旅は、「時の間」のような時間の旅であり、「Proxima Centauri」のような光年の距離への旅でもある。

「Lux Aeterna」は映画『2001年宇宙の旅』で音楽を使用された現代音楽家のジョルジ・リゲティの同名曲「永遠の光」を敬愛を込めてオマージュ、SUGIZOはこの狂おしくも美しいアンビエント曲から「THE MAD FOLLY」のサイケデリックなミニマル曲、そして「時の間」のスペイシーな無限音階から躍動感あふれる未知の世界の発見の喜びのサウンドに続く。

アルバム後半のこの3曲の流れは本当にすばらしい。SUGIZOの旅立ちは、彼一人の旅立ちへの希求ではなく、このアルバムのリスナー、そしてファンをみなともに彼の旅に誘ってくれる。ここではないどこかへ。美しい次元の高みへ。
歌詞という言葉のないインストゥルメンタルのこのアルバムがサウンドのみ、つまりは『音』それだけでこれだけ聴く者に豊饒なストーリーを感じさせるのは、すばらしいことだと思う。
ラウドなサイケデリック・トランスの「禊」というひとつのクライマックスを経て、最終曲「The Voyage Home」のギター、ピアノと波音のハーモニーの静かな佇まいの余韻はどうだろう。ここでの「Home」は果たしてどこなのか? SUGIZOの旅の終着点なのか? 
あるいはさらに続く旅の中間ステーションのようなところなのか。
サウンドの余韻とともにリスナーのイマジネーションの余韻も続く。

この春だったか。テレビのドキュメンタリー番組で観た、ヨルダンのシリア難民のキャンプを訪問した際のSUGIZOの表情が忘れられない。
ひとりの個人では(そして国家という大きな単位でさえも)どうにもならない理不尽な現実と人々の苦しみを前に、怒りも悲しみも苦悩も飲み込んだ、ある種の透徹としたその顔つきに、彼はひとりの音楽家としての無力感と同時に、音楽家にしかできない表現でこの現実を『音』に昇華していくほかないのだろうなと想像するしかなかった。それは誰かをいろいろな意味で救う『音』にもなるだろうし、SUGIZO自身を救う『音』でもあるのだろう。その端緒がまさに本アルバム『音』であり、彼の旅立ちの出発点の『音』なのだ。

最後にボーナス・トラックについても触れておきたい。SUGIZOも敬愛するデヴィッド・ボウイへの追悼としたデジタル・シングルのカヴァー曲「LIFE ON MARS?」はボウイの原曲の美しさを最大限に尊重しつつ、曲の最後に“地球に落ちて来た男”であるボウイが宇宙に無事に帰っていく飛翔音のアウトロを加えた、ファンならでの心のこもった一曲に仕上がっている。

SUGIZOとリスナーの精神の旅が、これからも「Live long and prosper」でありますように。

(2016年10月 吉村栄一 / Eiichi YOSHIMURA)

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2016.11.29 [tue.] Release 2CD 豪華BOX仕様

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    • ・撮り下ろし写真集
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    • ・ロングインタビュー
    • ・レコーディング使用全機材リスト
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    • ・「LIFE ON MARS?」
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SUGIZO TOUR 2016 "The Voyage Home"

3年ぶりとなる全国ツアー。衝撃のサウンドスケープと至福の空間を体感せよ。

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TOPICS

NEW ALBUM 「音」リリース記念・プレミアムサイン会開催決定!!

SUGIZO TOUR 2016 The Voyage Homeの各会場にてライヴ終演後、
SUGIZOニューアルバム『音』のリリースを記念したサイン会の開催が決定いたしました。
サイン会参加条件は各会場にて先行販売される、「音」Premium Editionを当日ご購入頂いたお客様対象になります。
尚、サインはアルバムの外箱のみに限らさせていただきます。

サイン会参加条件

ツアー各会場にて先行販売されるニューアルバム「音」Premium Edition ご購入者全員に、ライヴ終演後実施されるプレミアムサイン会の参加チケットをお配りいたします。尚、参加チケットは「音」Premium Edition1点購入につき1枚のお渡しとなります。
※CDをご購入いただいた枚数分、サイン会へのご参加が可能です。(例:CD2枚ご購入の場合、当日の参加チケット2枚お渡しします)
※当日のライヴチケットをお持ちの方のみご参加可能です。その際にチケット半券のご提示が必要となります。
※整理番号はございません。

ご注意事項
  • ※開催場所は会場内サイン会スペースにて行われます。
  • ※参加チケット1枚につき、「音」Premium Edition1点に限りSUGIZOがサインをいたします。
  • ※当日のライヴチケット1枚+参加チケット(枚数分参加可能)が必要になります。
  • ※サイン会はライヴ終演後の開催となるため、実施時間が限られております。
    状況により中断・終了をさせて頂く場合がございますので、予めご了承お願いいたします。
  • ※係員の指示に従って、指定場所に整列していただきますようお願いいたします。
    またサインがお済みのお客様から速やかにお出口の方へ進んでいただきますよう、ご協力をお願いいたします。
  • ※サイン会実施中、カメラ、カメラ付き携帯電話、ビデオカメラ等での撮影は一切禁止いたします。
  • 以上の事項が守られなかった場合は、やむを得ずサイン会を一時中断、もしくは中止する可能性がございます。
    その際に、チケットおよび、CDの購入代金の払い戻しは出来ませんので予めご了承ください。
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